Kwansei Grand Challenge 2039の特長

①学修成果を含め、学生の“Outcome”に焦点

人生の目標を抱き、高い知識・技能を持って仕事に強い意欲で取り組み、自らを律する「強さ」と誠実さ・思いやりなど人格としての「品位」を兼ね備え、隣人・社会・世界に貢献する。関西学院の教育の成果(Outcome)は、卒業生がそうした「真に豊かな人生」を送ることにあります。そのためには、学生は社会で活躍するための知識・能力・資質を卒業までにしっかりと身に付け(学修成果の修得)、大学はそれを保証する仕組みを確立し(学生の質の保証)、その信頼性の高さによって学生は自らが望む就職・進路を実現させる(質の高い就労)ことが前提となります。長期戦略における41のテーマはすべてこの目標に向かって収斂させています。

学修成果の修得、学生の質の保証、質の高い就労

②未来予測からの演繹的なアプローチ

今回の将来構想を策定するにあたっては過去の手法と異なり、創立150周年の2039年の世界・日本を見据えた未来予測や外部環境分析を行いました。それによって抽出された将来の課題を踏まえて超長期ビジョン(ありたい姿・あるべき姿)を定めて戦略・方策を演繹的に考える「バックキャスティング」を採り入れています。一方で、内部環境分析(現在の課題抽出)から進むべき次の一歩を考える「フォアキャスティング」も行い、両方からアプローチしました。

超長期ビジョンと長期戦略

③学院全体が連動する総合的計画へ

長期戦略の41テーマを具現化するために、2018年度は「中期総合経営計画」(以下、中期計画)を策定します。今回の中期計画の特長は、(1)大学全体と学部・研究科の教学系の実施計画の連動(2)大学と各学校(※)の教学系の実施計画の連動(3)大学・各学校の教学系の実施計画と、財政、人事、建設、情報化の経営資源系の基盤計画の連動、という三つの連動を核とした総合的な計画となります。

※幼稚園、初等部、中学部、高等部、千里国際中等部、千里国際高等部、大阪インターナショナルスクール、聖和短期大学の8つの院内学校(大学を除く)

学院全体が連動する総合的計画へ

④経営と教学の一体的な取り組み

関西学院は2013年にガバナンス改革を行い、学長が副理事長に就任するとともに常任理事3人と副学長3人が相互に兼務する体制(通称「たすき掛け」)を整え、法人(経営)と大学(教学)を一体化させました。今回の将来構想策定にあたっては、副理事長兼学長が企画担当理事も兼ね、「Kwansei Grand Challenge 2039」および中期総合経営計画を策定する責任を担っています。これにより、大学および各学校の教学系の計画と、経営系の財政・人事・建設・情報化の計画を連動させ(前項③参照)、資源を最も効果的・効率的に活用して目標を達成する「総合的なマネジメント」をめざしています。

ガバナンス改革による総合的マネジメントの実現

⑤透明性の高いプロセス

将来構想策定に際しては2016年度に学院総合企画会議の下に超長期ビジョン検討WG(コンビーナ:村田治企画担当理事)を設置して議論を重ね、未来予測・外部環境分析・内部環境分析の結果について理事会、大学評議会等で説明し、2017年には超長期ビジョンの中間報告案を提示して意見聴取を行いました。理事会で承認後、長期戦略検討WG(コンビーナ:村田治企画担当理事)において検討に取り組み、41のテーマ毎にユニットを編成して100人を超す教職員が議論に参加しました。それらを取りまとめた中間報告を提示して各種会議体での説明や全学説明会の開催、パブリックコメントの実施を通して延べ160件の意見を受け、さらに最終案を提示して議論した上で2018年2月に大学評議会および理事会で承認を得ました。会議は合計で200回を超えており、トップダウンによる戦略の一貫性を重視しつつ、ボトムアップで各学部・研究科の意見聴取とその反映に取り組みました。

⑥KGI/KPIの設定

Kwansei Grand Challenge 2039と中期総合経営計画に基づく「総合的なマネジメント」によってPDCAサイクルの質を向上させるためには、Check(評価)段階での実効性が計画に内蔵されている必要があります。突き詰めれば、将来構想全体や長期戦略のテーマ毎の達成度や進捗状況を測るための指標の設定・開発が求められます。本学では、長期戦略の成果指標の中から最も重要なものをKPI(Key Performance Indicator)として抽出するとともに、将来構想全体の最終目標(Goal)の成果を測る総合指標としてKGI(Key Goal Indicator)を定め、それらの現状値や経年推移、学部別のデータ等が法人・大学の執行部に共有されて目標や責任を明確にする仕組みを構築いたします。

KGC2039の指標とKGI/KPIの指標