Challenge Stories
~私たちが未来のためにできること~

~日々の業務から感じる、KSCの魅力と課題~
2022.09.09公開

職員たちが語る、神戸三田キャンパスの未来 vol.01

日頃から感じている神戸三田キャンパス(KSC)の魅力と課題をトピックに、KSCの学生のバイタリティやロケーションの課題、職場の雰囲気など、同じキャンパスで勤務していても、以前は執務する事務室が異なっていたこともあり、普段はあまり口にしていなかったKSCのさまざまな側面について意見を交わしました。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    林 晋太郎

    2009年入職。2020年よりKSC勤務。入試・広報・学部運営担当。Saasツールでの学生カルテ導入で学生相談対応履歴情報の見える化に挑戦。また、入試広報担当として、KSCの魅力発信に取り組む。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    宮崎 留衣

    海外プログラム(総合政策学部、建築学部)関連業務、総合政策研究科教務業務担当。2013年入職以来、KSC勤務。コロナ禍で海外への渡航が難しい中でも、学生達が国際的な学びを続けられるよう、オンラインによる海外プログラムの運営・広報に携わった。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    青木 宏樹

    教務・学生担当。2016年入職以来、KSCで学生支援や入試・高大連携業務を担当しながら、新設学部の入試・広報を担当。現在は建築学部の教務業務に携わる。Chatbot導入に尽力した。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    生抜 麻衣

    2020年入職以来KSC勤務。キャンパス担当として交通アクセス、アカデミックコモンズ活性化、課外活動などに関する業務に取り組み、特に大阪梅田からの直通バス開通では、中心的な役割を果たした。現在は入試・広報・学部運営業務を担当。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    谷口 雄亮

    キャンパス担当。2014年入職。2020年よりKSC勤務。Camping Campus®、アカデミックコモンズ活性化、キャンパス施設管理等を担当。「KSC落とし物WEB」を開設する。

関西学院では、2039年を見据えた超長期ビジョンと長期戦略からなる将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」(KGC2039)を策定しています。本学院のありたい姿を描き、それを実現していくためには、教職員たちの強いつながりが不可欠です。そこで、KGC2039で掲げる長期戦略から抽出したテーマをもとに、部署や業務を横断して語り合う場を創出することで、教職員間の相互理解を促し、想いを共有します。
将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」についてはこちら


今回は、20228月に統合事務室を開室した、神戸三田キャンパス(KSC)事務室の5名の職員に参加してもらい、「KSC活性化」をテーマに座談会を開催しました。KSCの魅力や課題をはじめ、大阪梅田からの直通バス開通、Camping Campus®といったそれぞれが取り組んだ業務、さらにはKSCの未来についてなど、職員たちの本音のトークを5回に分けてお届けします。



「バイタリティ溢れる学生」がKSCの魅力


 KSCの魅力というと、何が思い浮かびますか?私は西宮上ケ原キャンパスでの勤務が長く、KSCでの勤務はまだ3年目ですが、KSCの学生はパワーがとても強い印象です。いわゆる「意識の高い学生」を揶揄したりせず、「それいいやん」と褒め合える雰囲気があるのがいいなと思います。


宮崎 JR新三田駅からバスで約15分かかるKSCは、郊外にあるという立地のイメージが目立ってしまいがちですが、逆に大学周辺に立ち寄る場所がないので、「思う存分勉強に集中できる」環境なんですよね。学生からもそのような声をよく聞きます。それがKSCの最大の魅力なのかなと思います。


青木 学生たちがやりたいと思ったことを、周囲が否定しないので、自分たちの考えるように活動できるところが、学生たちが感じているKSCのおもしろさではないでしょうか。


生抜 その通りだと思います。自分たちのやりたいことをやり、活気にあふれている学生がたくさんいますよね。例えば、アカデミックコモンズ・プロジェクトは、授業外での活動であるにもかかわらず、自身が感じる課題の解決のためにチャレンジを志す学生が多く、このコロナ禍でも過去最高数の応募があったことは驚きでした。


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「アカデミックコモンズ・プロジェクト」活動の様子
アカデミックコモンズ・プロジェクトの詳細はこちら


谷口 学生はもちろん、私たち職員もそうですよね。KSCは開設して27年目でまだまだ取り組むべきことがたくさんあり、チャレンジできることがたくさんある環境に魅力を感じます。


生抜 学生たちのバイタリティに、私たち職員も活気づけられている部分はおおいにありますよね。


 そうですね。これほどまでにバイタリティにあふれた学生が多い理由のひとつはやはり、KSCの学部構成(理学部、工学部、生命環境学部、建築学部、総合政策学部の5学部体制)にあるように感じています。理系の学部には、やりたいことを予め決めている学生が入学し、それを突き詰めようとしています。一方で学際融合の総合政策学部には、「世の中の課題を解決したい」という発想の学生が集まっています。その組み合わせの妙により、お互いを認め合えるよい関係が構築され、それが学生たちの更なるバイタリティにつながっているように思います。


生抜 KSCは、西宮上ケ原キャンパスほど学生数が多くないので、チャレンジしたい学生を教職員が丁寧にサポートできる環境が整っていることも影響していると思います。


青木 そうですね。西宮上ケ原キャンパスは、履修、奨学金をはじめ、用件ごとに機能が分散していますが、KSCでは学部事務室が多くの窓口として機能してきていました。学生の来室頻度が高いので、必然的に職員との距離が近くなります。加えて、理・工・生命環境学部は1年次から教員が担任としてつくので、悩みがあればすぐに担任に相談できます。また、各研究室では教員からの直接指導を受けられます。まさに教職員と学生の距離が近いのもKSCの魅力のひとつじゃないでしょうか。


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2021
年度のKSC生卒業時調査の自由記述回答をテキストマイニングし、KSCに対する率直な感想をポジティブワード、ネガティブワードに分けた感情分析結果(IR室作成)。
この資料を見ながら職員の視点での感想を語り合ってもらいました。


 


谷口 良いことも、悪いことも、やっぱりそうかという印象です(笑)。


生抜 私も想像通りです。ポジティブワードに「事務室」「先生」「対応」など、人が絡むソフト面のワードが多いのは嬉しく感じました。一方で、課題はやはり「コンビニ-ほしい」「キャンパス-遠い」といったワードに表れているハード面ですね。


青木 まさしくそうだと思います。正直なところ、私たち職員も西宮上ケ原キャンパスと比較すると通勤が大変だと感じますし、夏季休暇中など大学生協や食堂が閉まる時期は、さらに不便さを感じます。学生も同じく不便に感じていると思います。特に理系学部の学生は一年中研究室にいるので、困っているだろうなと...。反対に、「事務室-ありがたい」の組み合わせがポジティブ判定の4番目にきているのがとても嬉しいです。今回の座談会の参加者はみなさん専任職員ですが、日常的に私たちよりもたくさんご対応いただく非専任職員の方々が、窓口で丁寧に学生対応をしてくださっているお力添えがかなり大きいです。


宮崎 KSCのハード面や設備面に関しては、多くの学生が「もう一押し欲しい」と思っているだろうなということは日々感じているので、調査結果を見てやはりそうかという印象です。休憩時間の食堂の混み具合を見ては、もう少し充実させたいと感じます。キャンパス内までキッチンカーに来てもらうなど、工夫はしているのですが...。一方で、ポジティブ判定に「図書館-使いやすい」という結果があり、「図書館を使って勉強してくれていたんだな」ということが分かって、図書館に力を入れている本学職員としては嬉しくなりました。


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キャンパス内のキッチンカー


 私が「そらそやな」と思ったのは、「ジム-欲しい」「トレセン-使いにくい」という結果です。私は以前、西宮上ケ原キャンパスでトレーニングセンター(ジム)の運営業務を担当していましたが、西宮上ケ原キャンパスのジムは西日本最大級の規模なので、それに比べたら致し方ないかなという感想です。他方で、ネガティブ判定の「授業-難しい」「理工-難しい」という結果については、ポジティブにとらえています。入試広報業務の一環で先生方にヒアリングすると「学生にたくさん学んで欲しい、より頭を使って欲しい」という声を多く聞きます。先生方が理想の授業を提供されたことで、「授業-分かりやすい」という結果に表れる一方で、学生が「授業-難しい」と感じ、学習面での壁を乗り越える過程が成長につながっていると考えると、これは良いことではないでしょうか。



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「キャンパス-遠い」を克服するには...


生抜 この調査結果を受けて、一番の課題は「キャンパス-遠い」だと改めて思いました。現在、KSCに在籍する6,000人弱の学生の内、約7割がバス通学をしています。キャンパスの場所は変えられないので、バスの路線開発や増便など、アクセスを改善するよりほかないと思っています。


青木 キャンパスの立地や各学部の学びの特性上、キャンパス内で過ごす時間が長くなるので、学生が一般社会や地域の方々と日常的に関わる機会が少ないことも課題だと感じています。日常的に大人との関わりが少ないせいか、何らかの壁にぶつかった時に、解決方法をうまく見いだせないで立ち止まってしまう学生がいる、ということを、日頃の学生相談を受ける中で感じています。私自身も学生時代に近い経験があることが多いので、一例として、自分の時は・・・と経験を伝えてみたり、別の視点だとこういう風にも見えるよ、ということを私たちからも伝えてはいるのですが...。学内での学生の多様性の交流機会は担保できているので、次のステップとして、社会や大人とのつながりを増やしていけたらと思います。


宮崎 社会とのつながりというところで考えると、KSCは三田市と深いつながりがあるので、近隣住民の方々と連携して、三田市を盛り上げるイベントができないかな、と考えたことはあります。


 KSCは、他のキャンパスと比べて施設を長時間利用することができますが、理系学部の研究への取り組みの実態を踏まえ、利用時間の延長を考える必要があるのかもしれません。また青木さんがおっしゃるように、悩みを抱えている学生がいるということであれば、カウンセリングできるスタッフの対応時間を増やすなど、頑張っている学生のサポートをより充実させたいですね。


生抜 素晴らしいチャレンジをしている学生がたくさんいるので、そういった学生をより盛り上げることができる環境づくりも課題ですね。


 


事務室を統合し職員間の連携を強化


谷口 職員が働く環境においては、お互いに業務の様子が見えづらいことも課題かなと思います。仕事上のやりとりはしていても、実際にその人がどういう人なのか、どんな仕事をしているのかがあまり分かっていなくて...。今回、実際に話をして、みなさんの人となりがよく分かったので、今後、仕事のやりとりをする上でもよりスムーズに進むのではないかと感じています。これまでは事務室が分かれていたので仕方のない部分もありましたが、統合事務室の開室後は、もっとコミュニケーションを取っていきたいです。


谷口対談.JPG


青木 そうですね。それぞれの業務量が多く、担当業務で手一杯になってしまい、コロナ禍になってからは特に隣の部局に「今は何をしていますか?」って聞きに行ったりはできなかったです(笑)。


 それはみんなが感じているところですよね。コロナ禍で分散勤務、在宅勤務になり、チャットツールで用事もなく気軽に声をかけるということがなかなかできない状況になり、職場の空気が少し変わったように思います。


一同 うなずく


宮崎 部署内外にかかわらず、コミュニケーションを取るのが難しくなっているのを、私もひしひしと感じています。それぞれの担当業務がある中で、8月下旬の統合事務室オープンに向けての準備が加わり、業務量は増大。大変な時、しんどい時こそ、気軽に人と集まって相談したいのですが、それもままならない状態です。部署内、部署間のチームワークを大切にしながら仕事ができる雰囲気、環境を整えることが課題だと感じています。


青木 改革が進んでいく中、ルーティーン業務は従来のまま残り続けています。業務を集約するなど、より効率的な働き方をする必要があると痛感しています。一人ひとりの職員のキャパシティを常に超えているという感覚にも...。でも、私は今、宮崎さんと同じエリアで働いていますが、宮崎さんがいるから頑張れています!反対に、青木がいるから頑張れる、とみなさんが言ってくださるかどうかは分からないですけど(笑)。


宮崎 そう思っています!


青木 ありがとうございます(笑)。同僚が近くで頑張っている姿を見るだけでも、やる気とか、頑張ろうと思えるきっかけをたくさんもらえて、乗り越えていけるんですよね。コロナ禍の分散勤務時には、事務室では職員の半数ほどしか出勤していませんでしたが、それが緩和され、同じエリアで、全員で働くことがこんなに力がもらえることなんだと、改めて感じています。


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2022年8月に竣工したⅧ号館の1階には、キャンパス内の事務機能を統合した事務室を設置


 入職3年目までの職員は、我々よりもさらに大変だったと思います。関係性を築けている中での在宅勤務ではなく、入職当初から在宅勤務。その中で関係性を構築していくなんて、自分が同じ環境だったら、うまくできていなかっただろうなと。「同期ともコミュニケーションが十分取れていなかった」いう声も聞くので、今、その状況が緩和されつつある中で、なんとか改善できればと思っています。


谷口 先日、KSC事務室の職員研修がありましたよね。担当業務に関係なくグルーピングされてワークをしたことで、普段、接することのない方たちと交流できたのが新鮮でした。コミュニケーションの大切さを改めて感じました。


一同 うなずく


宮崎 学部業務においては、教職員間の連携が大切です。若手職員の中には、先生方とメールのやりとりは頻繁にしているものの、お顔が分からず、先生が事務室に来室した際に、誰か分からなかったという事態も生じています。やはり顔を合わせて、世間話も交えながら、ということが大切なんですよね。事務室から先生方に依頼したい業務がある時も、普段からコミュニケーションを取っていればスムーズに進められるという側面もあります。


生抜 そうですよね。やはり対面でのコミュニケーションは、我々職員が共に働く上でも、教員との関係を築く上でも、学生と接する上でも、とてもプラスになると思います。


 


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