“Mastery for Service” for SDGs Initiative “Mastery for Service” for SDGs Initiative

関西学院大学SDGs宣言

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関西学院大学は、そのミッション「思いやりと高潔さをもって社会を変革することにより、スクールモットー“Mastery forService”を体現する、創造的かつ有能な世界市民を育む」を実践しながら、「世界を変えるための17の目標」である「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、教育、研究、経営に代表される大学の営み全体を通じて貢献する。関西学院大学の学生、教員、職員、同窓は、一人ひとりの役割においてSDGsに貢献することを強く意識する。
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関西学院大学は、アジアで初めての国連ボランティア計画(UNV)との協定に基づいた学生の途上国への派遣、日本で初めて国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携した難民学生対象の入試制度の導入や、高大接続から大学院教育までを通貫した「国際機関へのゲートウェイ」構築に取り組む等、国連と連携した教育プログラムについては日本をリードしてきた大学である。これらの教育プログラムの継続・発展により、SDGsの推進をリードする人材育成にいっそう邁進していく。
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関西学院大学は、SDGs推進においても「国際性豊かな学術交流の母港 “Global Academic Port”」となることをめざし、国際機関や協定大学、そして地域社会との協働を積極的に展開する。

学長メッセージ

 関西学院大学は、「“Mastery for Service”(奉仕のための練達)を体現する、創造的かつ有能な世界市民」の育成を使命としています。「世界市民」とは、他者との対話力・共感力を備え、よりよい世界の創造に向けて責任を担う人々を指します。2018年に策定した将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」の中でも、本学は世界市民の育成を見据えた教育理念(「世界的課題の解決に挑む『強さと品位』を持った人間を育てる」)を定めています。自分が隣人・社会・世界との関わり合いの中に生かされていることを自覚し、あらゆる他者への深い思いやりと、社会変革への情熱を胸に行動を起こすことが、世界市民には求められています。特に、パンデミック・気候変動・紛争などにより、国際社会が広範な影響を受けている現代においては、自分とは背景・状況の懸け離れた他者の問題を自分事として捉え、一人ひとりが手近ながらも自分に成し得る貢献を考えることが、かつてなく緊要になっています。
 「誰一人取り残さない」をモットーに、地球規模課題の解決を目指すSDGsは、その包摂的な精神と設定目標の両面において、本学の世界市民像と深い親和性を有しています。SDGsの精神に共鳴し、人類の持続的な繁栄に尽力することは、まさしく世界市民として活躍することに他なりません。SDGsに貢献する人材の輩出は、本学の使命・教育理念の実現にも直結することから、本学は、SDGsの推進を重んじており、SDGsが採択される以前からも、つとに世界的課題を見据えた幅広い取り組みを推進してきました。
 2019年4月、SDGs推進本部を設置した際に、「関西学院大学SDGs宣言」を発出しました。同宣言の中に記されているとおり、本学はかねてから国連と教育面での連携を進めており、国連外交・統括センターを中心に、地球規模課題の解決に挑むリーダーの養成に取り組んできました。2020年からは、国連大学SDG大学連携プラットフォームに加盟し、大学生向け教育コンテンツの開発に参画しています。今後も、本学の特長である国連との緊密な協力を基に、SDGsのみならず同目標以後の国際社会をも牽引する人材を養成していきたいと考えています。
 また、神戸三田キャンパスをサステナビリティの拠点として位置づけ、多数の特長的な取り組みを進めています。同キャンパスでは、「持続可能なエネルギー」を重点研究テーマに設定し、温室効果ガスの排出削減に資する先端的な研究を推進するとともに、「Be a Borderless Innovator(境界を越える革新者たれ)」をコンセプトに、文理横断型の教育を実施しています。また、同キャンパスでは、学生が主体となって産学連携によるマイボトルの開発・普及を行い、2021年4月を起点として、累計10万本を超えるペットボトルごみを削減してきました。
 SDGsの達成に向けては、企業のみならず、自治体や教育機関などとの連携が欠かせません。本学は、全国規模のプラットフォームに加えて、関西圏や兵庫県の関連組織にも積極的に参加し、官学との協働を強化してきました。近年では、兵庫県や大阪府の自治体との連携によるSDGsシンポジウムや、近隣の大学との連携による国際ボランティアセミナーなど、多様なイベントを共催し、SDGsの啓発・推進を行っています。今後も、地域社会と国際社会の両方に視座を据えながら、SDGsの達成に向けて尽力するとともに、教職員・学生・同窓の一人ひとりがそれぞれの活動においてSDGsへの貢献を強く意識する学院を創って参ります。

関西学院大学学長森 康俊