関西学院大学は3月1日、次世代パワー半導体材料SiC(シリコンカーバイド)基板内の「欠陥」を無害化する、非接触型の表面ナノ制御プロセス技術「Dynamic AGE-ing®」について、記者会見をオンラインで開き、発表しました。豊田通商株式会社と共同で開発に取り組んでいるもので、発表会には合計22社24人が参加。村田治・学長(関西学院副理事長)と金子忠昭・理工学部教授が、この技術の革新性と、社会実装に向けた豊田通商とのオープンイノベーションに関する取り組みについて説明しました。
「パワー半導体」とは、電力や電源の制御・供給を行う半導体の総称で、あらゆる電子機器に使われています。現在、その基板の大半はSi(シリコン)が母材となっていますが、今後は、「SiCパワー半導体」の需要が大きく広がると見込まれています。SiCは、Siと比較して、電力ロスを大幅に低減でき、電力利用の効率化および冷却装置の小型化を可能にします。この特性を活かして、電気自動車(EV・HV・FCV)や鉄道、産業機器、電力などグリーンイノベーションが進む分野でSiC基板の実用化が始まっており、今後、脱炭素社会の実現に向けて、その波及効果が極めて大きいと期待されています。
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