20213101122日に、国連大学サステイナビリティ高等研究所が主催する第36回グローバルセミナー*が開催されました。今回のテーマは"Sustainable Solutions for Global Environmental Problem"で、このテーマのもと全国の大学から65名の学生が参加しました。本学からは国際学部の廣野 裕香さん、安 沼珉さん、経営戦略研究科のオズボーン ジャクソン マックキンスさんが参加し、修了証を授与されました。

*グローバルセミナーは、現代社会が直面している地球規模の問題と国際連合の取り組みについての意識を高めることを目的に開催されています。国内に在住する大学の学部生、大学院生、若い社会人が対象となります。


今回のセミナーでは環境問題をテーマとし、参加者を3つのグループに分け、1日目、2日目は基調講演を受講した後、グループごとに課題の分析と解決策の提案に取組み、10日間の準備期間を経た3日目には基調講演の後に最終プレゼンテーションが行われました。


プレゼンテーション資料を作成するにあたり、各グループはさらにサブグループに分かれ、それぞれが"Land" "Air" "Water"の3つの視点からその背景・現状・解決策などをリサーチしてグループ内でプレゼンテーションや議論を行い、現在の対策の改善点や他の問題との繋がりなどを議論し、グループとしての最終プレゼンテーションに臨みました。


今回はコロナ感染拡大の状況により、グローバルセミナーでは初めての試みとなるオンラインでの開催となりました。大人数での話し合いや、1つのテーマについて意見をまとめることにはオンラインならではの難しさもありながら、サブグループ内で代表者を選んで意見を取りまとめるなどの工夫により、最終的には素晴らしいプレゼンテーションができ、参加した学生たちは多くの学びを得たようです。


本学からの参加者3名の声をご紹介します。

◆国際学部4年 廣野 裕香さん

Q.セミナーへの参加動機を教えてください。

国際問題やSDGsに関心があり、大学卒業後も大学院で勉強していきたいと考えていたので、様々なバックグラウンドを持つ人たちと議論しあえる当セミナーは貴重な機会だと感じ、参加を決めました。

Q.参加した感想はいかがでしたか?廣野さん③.jpg

所属したCグループの最終発表のテーマは"2050
Agenda: A Sustainable Ecosystem Built through Sustainable Responses"でした。サブグループでは、大気汚染・酸性雨を主なテーマとしてメンバーそれぞれが調査・発表を行い、複数の問題の繋がりや現在行われている対策の改善点、SDGsへの貢献などを議論しました。今回のセミナーを通して、環境問題と私たちの生活や経済活動との結びつきを強く感じました。また、このまま何も対策をしなければ問題はさらに深刻化してしまうこと、その一方で今世界が抱えている問題について知り、問題解決に向けてアイデアを出し合い、1人1人が責任を持って行動することで持続可能な社会の実現に近づけることを学びました。

Q.オンラインでは初の開催でしたが、グループワークはどうでしたか。

限られた時間の中でグループ活動を行い、1つのテーマについて話をまとめることは、このセミナーに限ったことではないと思いますが、難しく感じました。とはいえ、オンラインであってもグループでのディスカッションを通じて色々な考え方や問題の見方を知ることができ、学ぶことが多くありました。私が所属したサブグループには、大学院生から学部生までいろいろなメンバーがいて、それぞれの専門の話や、将来の目標など、テーマ以外の話もすることができ、良い刺激を受けました。



◆国際学部4年 安 沼珉さん

Q.セミナーへの参加のきっかけを教えてください。

1年間のアメリカ留学と大学での講義内容を通じて"SDGs"や"持続可能な社会"といったテーマに関心を持つようになり、より体系的に学びを深めてみたいと考えていたところ、ゼミの教員にこのセミナーを薦めてもらい受講を決めました。

Q.参加した感想はいかがでしたか?

安さん⑤.jpg自分の考えをアウトプットして持続可能性について体系的に学びを深められたことは良かったです。セミナーに参加するまではインプットすることが主な学習方法でした。しかし、今回のセミナーでは学んだことを活かして持続可能な社会の実現に向けた解決策を自ら考えて提案するというアウトプットを行うことができ、より当事者意識を持って学ぶことができたと満足しています。今後は、「環境問題は1人の力だけでは決して解決できない」ことを心に留め、常に責任ある行動を心掛けていきたいです。また、多様な価値観を持つ人とコミュニケーションをとって意見交換を図ることの大切さを痛感し、他人との関り方という点で一回り成長することができたと実感しています。

Q.今後参加する人たちへのアドバイスをお願いします。

素晴らしい講師群や、多様な国・地域・大学・文化を背景に持つ学生たちと共に学びを深められる貴重な機会を得られました。英語力に自信がない方でも、引け目を感じずにぜひ挑戦してみてください。



◆経営戦略研究科 経営戦略専攻 国際経営コース(GPMP)1年

オズボーン ジャクソン マックキンスさん

Q.セミナーへの参加動機を教えてください。

気候危機に対し重要な変化や解決策を導きだすことに興味があり、同じ志をもつ学生たちと関わることができる良い機会だと思いこのセミナーに参加しました。

Q.参加した感想はいかがでしたか?

オンラインでは、大人数での話し合いが難しかったため、所属したCグループでは、グループをさらに6人ずつのサブグループに分けて調査や議論を進めました。私は、サブグループの代表に立候補して、グループ間の情報共有や最終プレゼンテーションの準備に携わりました。2日目から3日目のプレゼンテーションまでの間の期間にも、一日毎にグループでの話し合いを行ったり、国連大学の教授にアドバイスを求めたりして実現性のある提案をするために取り組みました。複雑な地球規模の問題に対して、実行可能な解決策を考え、提案するのは大変よい経験になりました。また、様々なバックグラウンドや価値観を持つ人々が協働することで、気候危機を効果的に軽減することが可能だと気付かせてくれました。

Jackson①.jpgQ.今後参加する人たちへのアドバイスをお願いします。

セミナーは参加型で作業量も多く決して楽ではありませんが、様々なバックグラウンドを持つ講師群や学生と関りながら有益な情報を学び、現実社会の問題に取組む演習を経験できる良い機会ですので、ぜひ参加することをお勧めします。