2022年3月8日~11日に、国連大学サステイナビリティ高等研究所の主催する第37回グローバルセミナー*がオンラインにて開催されました。今回のテーマは"Advancing Efforts on the SDGs in the Anthropocene~人新世におけるSDGs達成への挑戦~"で、気候変動のもたらす影響を生物資源・水・教育の三つの分野において考察していきました。本学からは国際学部の清角帆乃佳さんが参加し、修了証を授与されました。
*グローバルセミナーは、現代社会が直面している地球規模の問題と国際連合の取り組みについての意識を高めることを目的に開催されています。国内に在住する、大学の学部生・大学院生・若い社会人が対象となります。
本セミナーでは、生物資源・水・教育に関わる世界的に著名な3名の研究者が基調講演を行い、1・2日目は参加者を4グループに分けWorld Cafe方式で意見交換を行いました。
3日目は6グループに分かれ、プレゼンテーションの資料を準備し、最終日の4日目にはそれぞれのグループで、気候変動による生物資源・水・教育への影響と最適な解決策についてのプレゼンテーションに臨みました。
グループプレゼンの準備期間が短く、限られた時間の中でコミュニケーションを円滑に取りながら役割分担をして進めていくことは難しかったようですが、充実した時間を過ごせたようです。
本学からの参加者の声をご紹介します。
◆国際学部4年 清角帆乃佳さん
Q.セミナーへの参加動機を教えてください。
コロナ禍で留学には行けなかったのですが、大学生のうちに英語でアカデミックなトピックを海外の学生と学ぶことに挑戦してみたかったからです。また、海外の大学院に興味があり、そのことを知っていたゼミの担当教員に勧めていただいたのがきっかけです。
Q. 参加した感想はいかかでしたか?
アカデミックな専門用語を交えた英語での講義についていくのは難しかったです。また意見交換の際にも自分のボキャブラリーの少なさを感じました。そのようななかでも、自分の疑問点を常に確認しながら理解を深めることができましたし、様々な国・年齢の学生の経験・意見を聞くことができました。セミナー後に連絡を取り合う仲になれた人もできたので参加して本当に良かったです。
Q. セミナーを通じてどんな学びがありましたか?
気候変動問題と聞くとこれまで異常気象など災害問題のイメージしかありませんでしたが、水・教育・生物多様性・SDGsと絡めて考えると、問題が貧富の差や政治問題、国の経済状況や安全保障問題まで社会全体に複雑に絡んでいるということが理解できました。地球全体や国家が動くべき巨大な問題でありながら、個人の日常的な意識・働きも必要とされる身近な問題でもあるという深刻性を、ひとりひとりが理解するだけでなく、解決方法まで議論する場を特に若い世代には設けるべきだと強く感じました。今回のセミナーでは、私のグループのテーマは「日本の学生に向けた気候変動教育のカリキュラム作成」で、カリキュラム作成を通じて日本の若者はどうすれば問題をより身近に感じられるのかという具体的な解決策まで、多国籍なメンバーで形にできたことが非常に貴重な体験となりました。
Q. 今後参加する人たちへのアドバイスをお願いします。
国連大学が英語で主催するセミナーと聞くと、自分の専門知識や英語のスキルに不安を感じるかもしれませんが、
参加者も大学生・大学院生ばかりなので専門家のような知識はなくても全く問題ありませんでした。インプットもアウトプットも多く簡単ではありませんが、様々な国の学生との数日間は、大学生活でもなかなか経験できない非常に濃い時間で、やりがいもあります。なんといっても、普段出会えないような多様な価値観と行動力を持つ友人ができることもこのセミナーに参加する大きなメリットだと思うので、ぜひ参加することをお勧めします。