2024年1月21日(日)、起業プラザひょうごにて、兵庫県・神戸新聞社主催のシンポジウム「SDGs先進国デンマークに学ぶ、幸せで充実した暮らし 」が開催されました。本シンポジウムでは、専門家がデンマーク人の働き方や価値観などについて講演・対談した後、デンマーク人学生によるグループトークと、日丁両国の学生によるグループディスカッションと発表が行われました。当日の詳細および動画については、「ひょうごSDGs Hub」の特集記事をご覧ください。

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本シンポジウムのグループディスカッション・発表には、関西学院大学からデンマーク人交換留学生1名およびKG SDGsキャンパスサポーターのメンバー4名、関西学院高等部から高校2年生4名が参加させていただきました。以下のとおり、参加者の声を紹介いたします。

 

デンマーク人交換留学生の声: 

「このシンポジウムは、私の視野を広げるとともに、さまざまな経歴を持つ方々と出会う素晴らしい機会となりました。参加者は皆、デンマークの事例に触れることで多様性・インクルージョン・社会的ウェルビーイング・ワークライフバランスなどを理解・奨励したいという共通の関心を持っていました。この経験を通して、世界や社会に対する全体的な視野を持つためには今回のような出会いが大切だと再認識できました」

 

関西学院高等部生4名の声: 

「今回の基調講演とディスカッションはこれからの学びの刺激となりました。ディスカッションでは、賢明女子学院高等学校の方々ならびにデンマーク人学生の方々と『多様性を受け入れ、能力を発揮してもらう方法』について話し合いました。その中で、『多様性』という言葉の受け取り方は人によってそれぞれ異なることを学びました。また、お互いの意見を交換し合うことで、多様性についてより深い学びを得ることができました。今回のシンポジウムで学んだことを私たちのこれからの研究にも活かしていきます」

 

KG SDGsキャンパスサポーターの学生の声①: 

「シンポジウムで浮き彫りになったのは、教育や働き方に対する考え方の根本的な違いです。(高校卒業後から大学入学まで、または大学在学中に)ギャップイヤーを取り、ワーホリ・旅行・インターンを通じて自分の道を自由に考える時間を持とうという価値観、違うキャリアに進みたいとなったときに何度でも国が補助してくれる環境で学び直すチャンスがあるといった社会保障、毎日15時ごろまでには仕事を終わらせ家族や友人との時間を大切にするという働き方。ぼんやりと知っていたものの、リアルな生の体験談として聞くと、抜け道・逃げ道が許されない雰囲気がベースにある日本社会との違いを痛感し、幸福度の差がうまれることに納得させられました。

そういった社会保障に必要不可欠な収入源となるのは高い税金。ほとんどのデンマーク国民は納得して喜んで納めているというデンマーク人教授のお話が印象的でした。『高い税金について、私たちは搾取されているという感覚ではなく、みんながアドバンテージを得られるように一つの大きな箱にお金を貯めているという感覚』とのこと。

このことについて、グループディスカッションでは、数%の増税で大騒ぎの日本社会には何年経っても実現は厳しい話だな、という声も。また、日本の国民性や企業の風土を変えることは難しいし、また日本ならではの良さを捨て全て受け入れ欧米化する必要もないのでギャップイヤーの導入など、適当な範囲から取り入れていきたいという話に帰結しました。」

 

KG SDGsキャンパスサポーターの学生の声②: 

「私の班では、『幸福(well-being)を生む社会に必要なことは?』というテーマでディスカッションを行いました。そもそも『幸福』自体が定義づけがたいもので、難しいディスカッションでしたが、最終的には『幸福』を客観的幸福(数字などで表せるもの:GDPや収入など)・主観的幸福(数字で表せない個人の感覚・感情に基づくもの)に分け、個人、組織・会社、社会というレベルで幸福に必要なことをまとめました。福利厚生を充実させる、働きやすい環境を整える、公平で平等な政策を作るなど、様々なソリューションが話題に上がりましたが、私が最も大切だと感じたのは『教育』です。

労働環境や収入なども勿論well-beingに不可欠だと思いますが、最終的に幸福かどうかは各々の価値観によって判断されます。ディスカッションの中で、一つの課題として最近はSNSの発達により人々がそれぞれの生活を比較して幸福を感じづらくなっているということが挙げられました。これに対して、比較ができる環境にあっても自分自身にとっての『価値』を認識できていれば、充分幸福だと感じることができるのではないかと考えました。

同じ班だったデンマーク人学生は、日本の教育に足りていないこととしてcritical thinkingを挙げていました。日本の教育では、学生が受け身になりがちで自分で考える機会が少ない。この意見を踏まえ、日本の教育では自分自身にとっての価値を明確にすることが難しく、結果として自身にとっての幸福を見失ってしまうのではないかと考えました。

これまで、デンマークの幸福度が高い理由は高負担・高福祉社会であることが一番の理由ではないかと考えていましたが、今回のイベントに参加した結果、社会制度の充実さよりも『考え方』や『捉え方』が重要なのではないかと感じました。そして、それを支えるのがデンマークの『急かされない教育(入学や進級のタイミングが自由)』『Gap Year』『学び直しができる社会』であり、幸福を感じることにつながっているのではないかと思いました」