2024821日から24日にかけて、国連大学サステイナビリティ高等研究所の主催する第40回国連大学グローバル・セミナー*が石川県(金沢市、白山市)にて開催されました。今回のテーマは「持続可能な地球と社会へ向けて~能登、金沢、白山から学ぶレジリエンスとイノベーション」でした。SDGsに向けた国際的な枠組みを学ぶとともに、石川県の3つの地域(能登、金沢、白山)をフィールドに震災からの創造的復興や防災、生態系の再生・保全と持続可能な活用に焦点を当て、参加者は座学とフィールド体験を通じて、深い理解を得ながら、課題に関する議論を深めました。また、他大学の学生や異なった専門分野を持つ参加者との間でネットワークを広げる機会を得ました。

 *グローバル・セミナーは、現代社会が直面している地球規模の問題と国際連合の取り組みについての意識を高めることを目的に開催されています。国内に在住する大学の学部生・大学院生・若い社会人が対象となります。

 セミナー初日には、国連大学長による基調講演と国連大学研究員による講義があり、講義後は研究員と共に金沢市内の日本庭園(兼六園)散策及び茶道体験などが行われました。2日目と3日目午前には専門家による講義があり、3日目午後には気候変動、健康、環境保全等のテーマで議論及びプレゼンテーションを行いました。最終日は白峰、白山国立公園の散策・体験の後、参加者は金沢に戻り、修了証を授与されました。

 本セミナーには、本学から、国際学部の夏木 佳凛さんと法学部の藤本 舞優さんが参加しました。以下に、お二人の声を紹介します。 

◆国際学部3年 夏木 佳凛さん        

夏木さん_計画推進_SDGsホームページ_YY_007.jpgQ.セミナーへの参加のきっかけを教えてください。

 応募した理由は2つあるのですが、一つ目は今回のセミナーの開催地が今年の地震で被災した地域の一つである金沢だったことです。自然災害が多い日本で生活するにあたり、金沢における自然とSDGsのかかわりの事例から学び、自分達の生活にもなにか生かせることがあるのではないかと感じ応募しました。二つ目は、留学を経験したのですが、英語を使って議論したり意見交換したりすることで、自分の英語力の維持につながり、またグローバルな環境に身を置くことで周囲から良い刺激をもらえるのではないかと思ったからです。

 Q. セミナーを通して難しいと感じたこと、また良かったことはなんですか?

難しいと感じたことは、グループワークにおいて、限られた時間の中で活発な議論を通して出たアイディアをひとつにまとめて発表しないといけなかったことです。10分という発表時間内で、必要な情報を整理することが大変でした。

良かったことは、コロナ禍明けで初めて対面で参加することができたため、レクチャーで学んだことをフィールドワークで実際に見たり、体験したりして理解を深めることができたことです。座学と実際の体験によって充実した4日間になりました。また、現地の人と交流することで白山の高齢化や観光地としての発展に対する問題点が見えてきたり、解決について一緒に気軽に話して考えることができたりしたことは良い経験になりました。

Q. 4日間のセミナーを通じてどんな学びがありましたか?

 セミナーを通して学んだことは、現状の問題を変えるには、社会を担う私たちの世代の意識が非常に重要ということです。生物多様性や白山地域の高齢化、自然と人との共生など様々なトピックを講義で学ぶ中、問題に対して何かアクションを起こすには、問題を抱える当事者のみでは困難であり、社会全体の協力と人々の意識が必要になってきます。そこでSDGsの枠組みによって環境保全につながる行動を意識したり、問題に目を向けたりすることが私たち自身にできることであり、世界と比べて気候変動に対する意識の低い日本の若者の意識を高めるべきであると感じました。

 Q. 今後参加する人たちへのアドバイスをお願いします。

 私自身SDGsや国連に詳しかったりするわけではなく、テーマにひかれて参加したのですが、専門的な知識や高い英語力がなくても全然問題ないと感じました。また、濃密な4日間を通していろんな背景を持った人と交流し、良いネットワークを作ることができましたし、楽しい思い出に残る貴重な機会になりましたので、みなさんも是非このセミナーにチャレンジしてみて下さい!


◆法学部3年 藤本 舞優さん

藤本さん_計画推進_SDGsホームページ_YY_003.jpgQ.セミナーへの参加のきっかけを教えてください。

夏休みに何かしたいと思っていたところ、このセミナーを知り、自分の専門分野や得意分野というわけではありませんが、国際社会の問題やSDGsに非常に興味があったので、是非とも学びたいと思い参加を決意しました。

Q. 参加した感想はいかがでしたか?

 個人的に講義がすべて英語というのはチャレンジングでした。内容の異なる専門的な講義を理解するのは大変で、毎日復習に時間をかけましたが、必死についていこうとした分、多くのことを学ぶことができました。

また、国籍もバックグラウンドも社会経験も異なる方々とディスカッションし意見交換できた時間はとても有意義で、新しい考えや思考に触れるのは楽しかったです。

Q. セミナーを通じてどんな学びがありましたか?

 自分の専門分野や得意分野というわけではなかったのですが、環境問題や生物多様性の課題について、また、人間の健康と環境の問題などについて多くのことを学ぶことができました。ディスカッションやプレゼンテーションを行うことで、英語で話す力や、相手の考え・価値観の違いを受容して調整する力なども身についてきたと思います。 

Q. 今後参加する人たちへのアドバイスをお願いします。

英語力は必須です。聞き取ることもそうですが、発言力が高ければ高いほどたくさんの学びがある4日間にすることができます!

スタッフや参加者、教授をはじめ、いろいろな方とお話することで、学べる内容は増えていくと思います。