長期戦略

長期戦略の概要

長期戦略の主たる目標学修成果の修得、学生の質の保証、質の高い就労

卒業生がこれからの時代に「真に豊かな人生」を送るためには、幅広い教養や専門分野の知識に加え、「主体性・タフネス・多様性への理解※」や学び続ける力、論理的思考力、コミュニケーション力、チームワーク力等の汎用的能力、倫理に基づく価値観や人間性、自律的に行動する資質が求められる。

学生は社会で活躍するための知識・能力・資質を卒業までにしっかりと身に付け(学修成果の修得)、大学はそれを保証する仕組みを確立すること(学生の質の保証)、その信頼性の高さによって学生は自らが望む就職・進路を実現させる(質の高い就労)。すべての長期戦略をこの目標に向けて収斂させる。
※ 本学がスーパーグローバル大学創成支援(SGU)に採択された構想で提示

拡大する 長期戦略の主たる目標

学士課程教育

社会や世界に貢献して「真に豊かな人生」を送るための基盤を創る
在籍時の学修成果の把握・評価
三つのポリシーに基づく教学マネジメント 在籍時の学修成果の修得については、三つのポリシー(DP・CP・AP)に基づく教学マネジメントを大学が統括して厳格に運用する。
教育の長期的成果の検証
「真に豊かな人生」につながる教育成果の検証 在籍時の学修成果の修得に加えて、卒業段階での就職・進路決定、卒業後の「真に豊かな人生」の三つの段階・視点で教育の成果の包括的な検証に取り組む。そのための指標を開発・設定し、成果を可視化する。
カリキュラムの基本構造の改革
「Kwanseiコンピテンシー」を身に付ける基盤教育の確立 全ての関学生が学部の区別なく卒業段階で共通して身に付けておくべき知識・能力・資質を「Kwanseiコンピテンシー」として定め、その修得のためキリスト教、スタディスキル、言語、ダブルチャレンジ※、数理・データサイエンス等の科目を基盤教育として全学生が学ぶ仕組みを検討する。
※ 所属学部の学びに加え、留学やハンズオン・ラーニング(社会での実践型学習)などに挑戦する独自の教育システム
「柔軟な学位プログラム」の検討
Society5.0に対応した人材輩出の仕組みの検討 20年後の社会では、AIの発達や人口減少によって、産業構造や人材需要が大きく変化すると予想されるため、既存の専門分野の統廃合、新しい分野での開設など学位プログラムを柔軟に改変できる仕組みを検討する。
教育分野の再編
理工学部の再編に着手 社会・産業の変化や人材需要に応じて教育分野を再編する。新たな分野を設ける場合も、大学全体の定員を維持または縮小しながら組み替えることを原則とする。特に理工学部は規模が急速に拡大したこと等から早急に分野再編に取り組む。
国際化の推進
国際基準の“Top Global University”へ邁進 グローバリゼーションが進み、世界で活躍できる人材が求められており、本大学の最大の特長である国際化を大学全体で推進する。2023年度まではSGU(英語名称“Top Global University”)における本大学の目標である「協定校への留学派遣2500人/年※」「留学生受入1500人/年」等に向かって進み、その後はより質の高い国際プログラム(派遣・受入・融合)を拡充することによってグローバルな教育環境を実現する。
※ 卒業生のおおよそ2人に1人が在学中に留学を経験する
国連等との連携強化
国連職員の輩出やSDGsの推進 本大学は、「国連・外交コース」「国連ユースボランティア」など国連・国際機関と協同して多様な教育プログラムを構築しており、地球温暖化、貧困等においてSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)を推進する国連との連携を一層強化し、国際公共分野で人類の課題に挑む人材を輩出する。
正課外教育の推進
課外活動から「正課外教育」への転換 汎用的能力や価値観等は、正課教育だけでなく、正課以外の大学の多様な活動・環境によって涵養されており、これらを「正課外教育」として位置付ける。体育会や文化総部などのスポーツ・文化・芸術活動を、「学生の自主活動」であることを尊重しつつ、「大学の責任に基づく教育プログラム」へと発展させる。
教員個人・組織の教育力向上
ST比の大幅な改善、教学マネジメントの推進 教育の質を高めるために基礎条件であるST比※を大幅に改善する。また、組織的な教育力向上には三つのポリシーに基づく教学マネジメントの推進が重要であり、まず「シラバスの精緻化」と「キャップ制(履修単位数の上限設定)の実質化」に取り組む。
※ 教員一人あたりの学生数
ICTによる教育・学修支援
学修・学生支援へのICT・AI活用 ICTやAIを最大限活用し、オンライン教育等によって学生の学びをより効果的に成果へと結びつける。また、学生生活支援においても、学生の多様なデータを各部署が共有して一人ひとりに総合的で最適な支援を行う。
対面的なコミュニケーションの促進
キャンパスでの交流・体験による感性の練磨 ICTが発達する時代だからこそ、キャンパスでの直接的なコミュニケーションや多様な体験で感性を磨くことの教育的価値が高まる。学生が教員や友人との交流を深め、刺激を受けるゼミナールの活性化等に取り組む。
学修支援の充実
ライティングセンターによる多様なニーズへの対応 学生の多様なニーズに個別に対応する授業外での学修支援(ライティングセンターの設置等)の充実を図る。
学生生活支援の充実
奨学金制度の再設計/全寮の混住型への移行 現行の支給奨学金制度について、国の政策(無償化等)動向を見ながら制度や規模を再設計する。寮は既存のものを含めて日本人学生と外国人留学生の混住型とし、共同生活を通じて国際理解教育を進める。
受入段階での多様性と学力の担保
主体性等を評価する多面的・総合的な入試へ 多様な背景をもった学生の確保を目標とし、特に主体性等を評価するため、文部科学省の入学者選抜改革推進委託事業の成果を生かして一人ひとりを見つめる多面的・総合的な入学者選抜への改革に取り組む。

大学院教育

研究者と、社会から求められる高度職業人を輩出する
研究者の輩出
新たな任期制助教制度の創設 研究者輩出を促進するため、後期課程修了者を本大学の任期制助教として雇用する新たな制度を設ける。特に日本学術振興会の特別研究員に採用された者はその段階で雇用を保証し、後期課程で研究に専念できる環境を整える。
理系研究室の充実
理工学研究科進学率の目標60%
高度職業人の養成
産業界とのチューニングによる文系修士プログラムの創設 文系の博士課程前期課程における新たな取り組みとして、専門的知識・技能と、それらを統合して成果に結びつける「高度職業人」の養成に産業界と協力して取り組む。

総合学園と一貫教育

建学の精神を共有し、幹の太い総合学園を実現する
特長ある一貫教育の創出
高大接続による「学びの先取り」の実現 学院は、初等部から大学まで最長16年の一貫教育があり、建学の精神を実践できる内部進学者の比率を高める方策を検討する。また、高等部において「大学での学びの先取り」を実現することで、大学の早期段階で留学するなど将来への視野を広げられるような特長ある一貫教育を構築する。
国際化の推進
学院全体で国際化を卓越したレベルへ 高等部、千里国際高等部もSGHに指定され、大学との緊密な連携によってグローバルリーダー育成に取り組んできた。千里国際キャンパスにある千里国際高等部・中等部、大阪インターナショナルスクールには35以上の国籍の生徒・教員が集い、両校が英語による授業を共有するなど、特徴ある学びと交流を通して国際的な環境を創り出している。大学・各学校が連携・連動し、学院創立時からの伝統である「国際性」を卓越したレベルにまで進化させる。

研究

競争的環境により、「世界トップレベルの研究」を創り出す
個別研究の活性化
研究実績に応じた資金配分・支援強化・環境整備 各教員が先端的研究に取り組み、知の創造や社会への貢献によって、大学全体の研究力を高める。そのために二つの原則を新たに定める。一つは平等主義を改めて競争原理を導入すること。現在の研究費の一部を原資として、若手教員や外部資金獲得をめざす教員、海外等との共同研究を進める教員、実績のある教員へ傾斜配分を行うことを検討する。もう一つは、研究実績の高い教員に対する支援強化と環境整備。科研費申請業務の支援に加え、業務処理の軽減、教育業務の減免、研究時間・場所の確保など教員のニーズに即して支援を進める。
研究ブランドの確立
支援強化で世界トップレベルの研究を創出 高い実績のある研究同士を有機的に結びつけ、大型プロジェクト等への進化を図るなどして外部資金を獲得し、世界トップレベルの研究を創出する。そのために、情報収集、戦略検討、補助金申請の支援、企業との交渉等を担うURA(University Research Administrator)を採用して支援を強化する。

産官学連携(共通テーマ)

産官学の連携強化により教育・研究のブランドを高める
学士課程教育 「国連等との連携強化」参照
大学院教育 「高度職業人の養成」参照
KSCでのイノベーション推進
産官学連携の拠点形成で人びとの集う「街づくり」 神戸三田キャンパス(KSC)は、理工学部の「知と技術の創造」と総合政策学部の「価値の創造」を組み合わせて社会にイノベーションを起こす拠点となる。産官学連携を進め、地元自治体、国、研究機関、企業、起業を志す人たちと協力して本大学学生を核として若者らが集う「街づくり」をめざす。

国際化(共通テーマ)

伝統ある「国際性」を卓越したレベルに進化させる
学士課程教育 「国際化の推進」「国連等との連携強化」参照
総合学園と一貫教育 「国際化の推進」参照
研究 「個別研究の活性化」参照

学校経営

ガバナンス改革を進め、総合的マネジメントを実現する
積極的な投資と強固な財政基盤の確立
新規事業を20億円/年、事業活動収支差額比率6% 中期総合経営計画(2018-2027)における財政の枠組みとして、新たな施策に投資を行いながら、10年後の財政の健全性・安全性を確保する。そのために必要な財源(収入増加・支出削減)の目標値を記す。数値は暫定で定期的に全体状況を勘案して見直す。
  • 中期総合経営計画における新規事業のための経常費(経費と人件費)を毎年度2億円とする(2027年単年度で20億円分)。
    建設費は10年間で合計400億円とする。
  • 財政の最重要指標は二つ。
    フローは事業活動収支差額比率(旧:帰属収支差額比率)で暫定的目標を6%とする(2039年度までに8%に回復させる)。
    ストックは実質支出超過額比率※で2027年度に50%未満とする。
  • 上記を実現するために2027年度までに政策的な収入増加24億円/年、支出削減5億円/年を実現する。5年目までに一定額の収入増加、支出削減の具体的な見通しが立たない場合は新規事業を停止する。
    ※ 実質支出超過額比率=(翌年度繰越消費支出超過額+借入金残高)÷事業活動収入
新規事業の財源確保
多角的な収入増加、既存事業廃止等の支出削減 ビジョン・戦略を実現するための最重要課題は財源の確保である。方策として、学費、補助金、寄付金、資産運用、事業収入等の増加が必要となる。また、既存事業の廃止を含む支出削減の方策を検討する。このため、2018年度に「財務・業務改革本部」を設置する。
学生規模
学生規模は維持・縮小、財政規模は維持・拡大 学士課程全体の学生規模については、維持または縮小を基本として選抜性を保ちつつ、財政規模の維持・拡大を図るなど複合的な戦略によって教育の質を高めて競争力を強化する。
人事政策の確立
<教員>総合的な教員人事計画の策定 大学全体として教員の年齢、職種、定数、ST比、人件費等を総合的に勘案した教員人事計画を策定する。また、全学人事枠の拡充、FD・SDの推進、研究力向上、行政業務の軽減、採用時の教育業績重視、評価制度の刷新などを検討する。 <職員>職員の能力向上を追求 教育・研究・マネジメントの質を向上させるため、職員が能力開発によって資質を高め、競争的な環境の中でその能力を最大に発揮することによって、組織としての遂行力を高める。テーマとして、能力開発、生産性の向上、事務組織の再編、人事諸制度の再構築などを検討する。
施設建設・設備整備計画
西宮上ケ原キャンパスのアメニティ向上に重点 西宮上ケ原キャンパスにおいて、学生の移動上の安全性を高めるとともに、分散している各種の学生サービス窓口を集約して学生の利便性を向上させるほか、食堂等の設備充実によるアメニティの向上を図る。
革新的な情報環境の構築
情報化戦略本部による戦略・計画の策定 デジタル革命の進展に対応し、ICT・AIの活用によって教育・研究・マネジメントの効果・効率を高める、包括的かつ革新的な情報化に取り組む。そのため、2018年度に「情報化戦略本部」を設置し、学院全体の情報化に関する長期戦略および情報化計画について組織体制の見直しを含めて検討・策定する。
Evidence-based Managementの推進
総合的なIR機能の構築 教育・研究のデータと財政・人事など経営資源のデータを収集・蓄積して統合し、分析・可視化することによって政策の立案や評価を支援するなど、経営判断に資する総合的なIR(Institutional Research)機能を構築して客観的データに基づくマネジメント(Evidence-based Management)を推進する。
二つのPDCAサイクルの統合
中期総合経営計画で内部質保証を確立 学院には、中期計画と自己点検・評価の二つのPDCAサイクルが存在するため、「中期総合経営計画」に統合して効率を高める。また、同計画の策定・実行・評価・改善のプロセスを通じて「内部質保証」を確立する。
卒業生との連携
卒業生とのネットワーク基盤を構築 卒業生が生涯を通じて“Mastery for Service”を体現するための支援を行う。そのために、20万人を超える卒業生とコミュニケーションを直接とるためのプラットフォームを同窓会と連携して構築する。