Challenge Stories
~私たちが未来のためにできること~

~KSCの新たな魅力づくりと情報発信~
2022.09.23公開

職員たちが語る、神戸三田キャンパスの未来 vol.03

第3回目は、Camping Campus®やオリジナルマイボトル、オンライン海外プログラムといった新たなKSCの魅力づくりと、KSC5学部の魅力を集めて発信する入試広報の取り組みについて、それぞれの担当者からお話をうかがいました。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    林 晋太郎

    2009年入職。2020年よりKSC勤務。入試、広報、学部運営担当。Saasツールでの学生カルテ導入で学生相談対応履歴情報の見える化に挑戦。また、入試広報担当として、KSCの魅力発信に取り組む。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    宮崎 留衣

    海外プログラム(総合政策学部、建築学部)関連業務、総合政策研究科教務業務担当。2013年入職以来、KSC勤務。コロナ禍で海外への渡航が難しい中でも、学生達が国際的な学びを続けられるよう、オンラインによる海外プログラムの運営・広報に携わった。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    青木 宏樹

    教務・学生担当。2016年入職以来、KSCで学生支援や入試・高大連携業務を担当しながら、新設学部の入試・広報を担当。現在は建築学部の教務業務に携わる。Chatbot導入に尽力した。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    生抜 麻衣

    2020年入職以来KSC勤務。キャンパス担当として交通アクセス、アカデミックコモンズ活性化、課外活動などに関する業務に取り組み、特に大阪梅田からの直通バス開通では、中心的な役割を果たした。現在は入試・広報・学部運営業務を担当。

  • 神戸三田キャンパス事務室
    谷口 雄亮

    キャンパス担当。2014年入職。2020年よりKSC勤務。Camping Campus®、アカデミックコモンズ活性化、キャンパス施設管理等を担当。「KSC落とし物WEB」を開設する。

将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」(KGC2039)の実現には、教職員たちの強いつながりが不可欠です。
KGC2039で掲げる長期戦略から抽出したテーマをもとに、部署や業務を横断して語り合う場を創出することで、教職員間の相互理解を促し、想いを共有します。
将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」についてはこちら


今回は、神戸三田キャンパス(KSC)事務室の5名の職員参加のもと、「KSC活性化」をテーマに座談会開催しましたので、その内容を5回に分けてお届けします。
「職員たちが語る、神戸三田キャンパスの未来 vol.02」はこちら



立地を逆手に取ってキャンパスの魅力を向上


谷口 学生たちのキャンパスライフ充実のために、「Camping Campus®」に取り組みました。そもそもの始まりは、2019年にKSCの学生と教職員で座談会を実施し、その中での「KSCでキャンプをしたい」という学生の意見がきっかけです。KSCの"郊外にある"という立地を、逆にキャンプもできる場所だとポジティブに捉えた学生の視点は斬新でした。大人の頭ではそんな発想は出なかったと思います。その後、「キャンプや自然が持つ価値を様々なシーンで活かす取組」を行っている株式会社スノーピークとコンタクトを取り、2020年に包括連携協定を結びました。同年に「焚火Talk」、翌2021年に「1DAYキャンプ」というプログラムを実施しました。コロナ禍で学生同士のコミュニケーションが取れず、特に1年生は、先輩と知り合えない、授業等でのわからないことを相談する相手がいない状況の中で、テント設営をアイスブレイクに利用したり、焚火の火起こしを競ったりと、キャンプを通じて学生間の交流を促した各プログラムはとても満足度が高く、有意義なものになったと思います。


1Day Camp 焚火を囲みながらフリートーク.jpg
たき火を囲みながらフリートーク



青木 テントを張ってご飯を食べたり、たき火したり学生さんたちが楽しそうに交流している様子をあとからYouTubeの動画で見ました。学生さん同士の活発な交流ができる企画だと感じましたね。


 「大学でキャンプ」という取り組み、実は懐疑的だったんです(笑)。でも、感性工学を研究する長田典子先生が実際に検証してみたら、テントの中で活動するとクリエイティビティが高まることがわかり感心しました。


谷口 このプログラムは、学生同士だけではなく、学生と職員の交流の場にもなりました。あくまで学生が主役なので、学生に実りのある内容になるように、彼等の声に耳を傾けてプログラムの設計・運営をしています。こういった事例が増えれば、KSCの魅力が増していくと思います。


1Day Camp ディスカッションを行う学生.jpg
1DAYキャンプ」の様子


生抜 学生と職員の交流というと、オリジナルマイボトルもその成果ですよね。


谷口 そうですね。これは学生たちと株式会社スノーピークが共同で作ったオリジナルのマイボトルになります。当初、350ml500 ml2つのサイズが候補にあがったのですが、「女性はカバンが小さいから350mlがいい」「自転車通学の学生が多いのでドリンクホルダーに入る大きさがいい」など、学生の視点で出されたさまざまな意見を集めて開発したボトルです。このオリジナルマイボトルを多くの学生に知ってもらうためのプロモーション動画も、学生が構成の段階から作ってくれて、大学の公式YouTubeチャンネルにも載せています。「自分たちにもできる」と思ったらどんどん仲間が集まってくるのはKSCの学生の特徴だと思います。





オンラインで海外プログラムを実施


宮崎 私は海外プログラムを担当しています。2021年、総合政策学部では、「希望した学生すべてにそれぞれの目的レベルに応じた海外プログラムを提供する」という新しい学びの柱を打ち立てました。その機会を保証すべく新たな海外プログラムをスタートしたものの、コロナの影響で、学部独自の海外プログラムはそのほとんどが延期か中止という事態に陥りました。自分たちの力ではどうしようもできないだけに、非常にもどかしかったです。それでも学生の国際的な学びを止めないために、オンラインのプログラムをスタートさせました。
オンラインプログラムに参加した学生からは「とても充実したプログラムで、今後の学習のモチベーションアップにつながりました」「今の自分の課題と向き合ういい機会になりました」というような感想をもらいました。実は、海外プログラムは「渡航ありき」と私自身が考えている部分があったので、当初はオンラインで実施する意義を見出せずにいました。でも、オンラインならではのメリットも多くあることに気づきました。気軽に参加できる、経済的にも実渡航のプログラムより圧倒的に安い、部活動やアルバイトとも両立できるなど、予想以上に学生から反響が大きかった。これらのことに気づけたことは大きかったですし、今後、さらに内容を充実させていきたいと思っています。



 参加者の声をYouTubeにあげたのですが、「シンガポールの大学生ってこんなに勉強するんや」「非対面の文字での英語のコミュニケーションってこんなにやらなあかんのや」というような声がありました。2週間のプログラムでそのような実感を得られて、学習に対する危機感に火が付いたことは、参加学生にとって非常にプラスになったと思います。参加した学生たちは、すごい速さで英語でLINEができるようになっていましたね。



宮崎 学生の成長は著しいものがありました。当初は「文字と音声だけの環境で全然分からない、もう無理」と言っていた学生が、仲間からのサポートを得ながら、なんとか食らいついていって、最終的にはアジアトップランクの学生に交じって、一生懸命自分の言葉で発表している。その姿を見て、よく2週間でここまで成長したな...と感動しました。


青木 学生だけでなく、総合政策学部の国際担当の職員の方々が英語で先方の担当者とやりとりされているのを近くで見聞きしていて、効果のあるプログラム開発に懸命な姿はとても刺激を受けましたね。


生抜 コロナ禍以降の生活スタイルに適した素晴らしいプログラムで、学生にとって新たな学びの場になるプログラムであることもよく分かりました。これまではキャンパス担当と学部担当の職員の働く場が離れていたこともあって、そんな有意義な取り組みをされていたことを今、初めて知りました。もっと互いの業務を共有する必要性がありそうですね。


宮崎 そうですね。海外プログラムの今後の課題は、より効果的な情報宣伝の方法を考えることです。バラエティに富んだ海外プログラムがあること、どこに行って何が学べるかという各プログラムの具体的な内容、オンラインで参加できるプログラムがあること。魅力はたくさんあると思うので、学生がもっと気軽に情報にアクセスできて、興味を持ってもらえるような環境を、林さんと相談しながら整備したいと思っています。率直に言うと、情報が学生に届いていないと思うんです。


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 学生向けのポータルサイトにしても他の媒体にしても、とにかく情報があふれすぎていて、学生に「我が事」として認識してもらえていないというのが、大学全体の課題だと考えています。いわゆる「通知疲れ」ですね。海外プログラムに限らず、公務員講座やTOEICプログラムなども横並びで発信されているので、対象のセグメントを切って、必要な人に必要な情報を届ける。「これは君に向けて特別に届けているメッセージなんだよ」という出し方を、各プログラムの担当者が考えていく必要があると思っています。

KSC5学部の魅力を学内メディアで発信


 私はKSCの魅力づくりとともに、入試広報担当としてKSC5学部の魅力の発信にも取り組んでいます。その中で、特に意識しているのは学内メディアの使い分けとキャンパス内に散らばる情報の収集です。2021年度は総合政策学部と建築学部を担当し、まずは、情報が事務室に集まってこないという課題解決に向けて動きました。この2学部に関しては2021年の1年間で、先生方から面白い学生や頑張っている学生、ご自身の研究、地域とのコラボレーション等の情報を随時事務室に回してもらえるようになりました。いただいた情報は、学部のニュース、受験生向けダイレクトメール、YouTubeTwitterなどメディアを使い分け、すべて発信するようにしています。



 2022年度からは、KSC5学部の入試広報担当になったので、理学部、工学部、生命環境学部においても情報提供してもらえるように、先生方と信頼関係を構築しようと動いています。「入試広報チームに情報をあずけたら適切なかたちで発信してくれる」と思っていただけるようになりたいですね。先生方も学生も、面白い取り組みや先進的な取り組みをたくさんしているのに、それが埋もれてしまっているのが勿体ないんです。「なんで本を出版したのに言ってくれないんですか」っていうのが結構あって(笑)。その本を読んで志願する学生が出るかもしれない。どんな情報にどんな層が興味を持ってくれるか分からないので、あらゆる情報がオープンになっている状態をまずはめざしたいです。


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青木 私も入職5年目まで入試広報業務をしていたので、今、林さんがさまざまな情報を集約してくれていることがいかに難しいことかよくわかります。私は、理系学部の先生方や学生の研究内容を理解するために、高校の数学や理科を勉強し直しながらイベントを考えたりしていました。今、林さんは、理系学部の情報に限らず、各学部の魅力が適切に伝わるような発信の仕組みづくりに取り組んでおられます。元担当として、これは素晴らしい取り組みだと思って聞いていました。


 理系分野の研究業績を理解するのは難しいですよね。学会の発表を聞いてもやはり知識不足で。そこに真っ向から勝負しようとしていた青木さんの姿勢はすごいと思います。僕は「わからないので教えてください」というスタンスをとるようにしています。




宮崎 2021年の1年間、林さんと一緒に仕事をして、情報収集して発信することが習慣になりました。林さんはふと見るとカメラを持ってるんです(笑)。学部の事務室として情報を収集し発信するという姿勢や雰囲気が生まれ、林さんが来てからよりよい環境に変わったと思います。



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